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化学・素材メーカーでみる日本株のボラリティの高さ

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普段仕事をしていると同業他社の情報がなんとなく入ってきますよね。

 

私の場合

現状:化学・素材メーカー

以前:装置メーカー(化学メーカー相手に取引)

 

という経歴なので日本の化学・素材メーカーにはそこそこ詳しいです。

 

本当にすごいと感じる会社からそんなに大したことない会社まで様々です。

共通して言えるのは株価があまり安定しないということです。

 

目次

 

同業の私からみてすごいと思う化学・素材メーカー3選

信越化学工業

塩ビ、シリコーン、セルロース誘導体等を主力事業とする会社です。

 

まず特徴として挙げられるのが主力製品のシェアです。

 

塩化ビニル樹脂:世界シェア1位

半導体シリコン:世界シェア1位

セルロース  :世界シェア2位

フォトレジスト:世界シェア2位

シリコーン  :世界シェア4位

 

など、軒並み高いシェアを獲得しています。

 

加えて主力事業の売上のバランスが良いです。2018年3月期の売上比率は

 

塩ビ・化成品事業   :27.7%

半導体シリコン事業:27.6%

シリコーン事業       :15.4%

電子・機能材料事業:18.3%

その他                      :11.0%

 

主力の4事業でほぼ4等分されています。

シェアが高く商品力がありながらも各事業でバランスが取れている。

ちょっと強すぎますね。

 

そして一番注目すべきは利益率です。

2017年度の売上1兆4414億円に対して営業利益3368億円。

営業利益率23.3%です。

 

売上1兆円超えているメーカーで利益率20%超える会社はそうはありません。

化学メーカーではダントツに儲けている会社です。

 

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だというのに信越化学工業の株価はここ一年低迷しています。

はっきりいって会社のせいではなく外部環境の影響です。

 

これほどの優良企業ですら安定的に株価を伸ばせないなら

もはや日本企業に投資する価値はないのではないか?

 

そう思わせるくらい良い会社だと思います。

 

住友化学

化学メーカーあるあるの基礎化学品以外では農業・医療関係に強い会社です。

 

割と有名なのはアフリカ等の途上国向けに防虫剤を染み込ませた蚊帳を供給しているという話です。

 

アフリカではマラリアなどの蚊を媒介とする感染症が未だに存在します。

住友化学の蚊帳はWHO(世界保健機構)に認められ、様々な国で社会に貢献しているというわけです。

 

実は最近このような社会貢献が投資家の間で重要視されています。

toyokeizai.net

環境問題、社会問題解決に取り組む会社は高く評価され、

逆に化石燃料系などの環境汚染につながる事業から資金を撤退する動きが加速しています。

 

このような動きの背景には2015年に国連が定めたSDGsという目標が関係しています。

imacocollabo.or.jp

人権、健康、環境、産業等のあらゆる分野において持続可能な社会を作ろうという目標です。

今後投資家はこのSDGsへの取り組みをより重要視するようになるでしょう。

 

私の会社でもここ1~2年でようやく取り組み始めたというところです。

 

それに対して住友化学は2003年には現地でマラリア対策の蚊帳を製造し始めています。

WHOやユニセフとも関わり合いがあることから、SDGsの観点において住友化学は日本の化学メーカーのリーディングカンパニーであることは間違いないです。

 

いかにも投資妙味がありそうですね。

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その住友化学の過去10年のチャートがこちらです。

 

民主党政権時代は低迷し、アベノミクスで順調に上がり、2018年の2月には米国金利の影響で急落するという何の変哲もない動きをしています。

 

これほど良い事業を行なっている会社でも政治・経済の影響をもろに受けています。

もはや日本企業の宿命でしょうか。

 

日本ゼオン

前二つの会社と比べると規模は小さいです。

とは言えども2017年度の売上は3327億円、営業利益389億円、営業利益率11.7%あります。

 

営業利益率10%超えていれば十二分に優良企業です。

(信越の20%越えが異常なだけです)

 

この会社の特徴は"ダイセル式生産革新"を取り入れていることです。

その名の通りもともとはダイセルという会社が発祥の手法です。

 

今風に言えば工場現場での働き方改革とでもいいましょうか。

 

工場現場では以外にもルールがあやふやなところやベテランの経験則で補っているところがあります。

あるいは同じ会社でも工場ごとにルールが違うこともよくあります。 

 

この"ダイセル式生産革新"では工場現場の課題や問題点を徹底的に洗い出し、無駄を削減しルールを統一させます。

 

そうすることでオペレーターの負荷が減り格段に事故やトラブルが少なくなります。

 

そういった取り組みの成果もあって2017年には天皇陛下が日本ゼオンの川崎工場をご視察されました。

gomuhouchi.com

過去に重大事故を起こしたメーカーは天皇陛下のご視察先には選ばれないそうです。

日本ゼオンの現場力の高さが伺えますね。

 

ちなみにこの"ダイセル式生産革新"の凄さは前に紹介した信越化学工業も認めるほどです。

当時のダイセルでの生産革新の旗振り役を信越化学工業が年俸数億円で引き抜こうとしたという話を聞いたことがあります。

 

1人の技術者に億単位のお金を出そうとするのはちょっと異常です。

(プロ野球選手じゃないんだから・・・)

 

その日本ゼオンの株価はこちらとなります。

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過去10年で見ると伸びてはいるんですがイマイチぱっとしません。

2018年に入ってやはり株価が下がっています。

 

下がっているんだから今が買い時かもしれませんが決め手に欠けます。

会社自体は良くても日本株だからこの先どうなるかわからない不安の方が強いです。

 

まとめ

今回ご紹介した3社は同業のエンジニアという立場から見ると本当に良い会社なんです。

ただ投資家という視点から見ると日本株というだけで投資しづらいです。